このブログでは Harry Potter を英語で読んでみたいという方々へ向け、様々なアドバイスや読み進める際のポイントを解説しています。
突然ですが、皆さんは蛙チョコレートのカードを持っていますか?


蛙チョコレート(Chocolate Frogs)はカエルの形をした、魔法界で人気のチョコレート菓子🍫です。1つにつき1枚、有名な魔女🧙や魔法使い🧙♂️のカードがついてきます😊
日本でもUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)やスタジオツアー東京、オンラインのハリー・ポッターショップなどで購入できるようになっています👍️
公式サイトに書かれている情報によると、現在オンラインショップで購入できる蛙チョコレートに封入されているカードは下記の5種類のようです🧙
- アルバス・ダンブルドア
- ゴドリック・グリフィンドール
- サラザール・スリザリン
- ヘルガ・ハッフルパフ
- ロウェナ・レイブンクロー
原作では1年生のハリーがダンブルドアのカードを当てて、それが賢者の石の謎を解き明かす鍵になっていましたね😊
‘Oh, of course, you wouldn’t know – Chocolate Frogs have cards inside them, you know, to collect – Famous Witches and Wizards. I’ve got about five hundred, but I haven’t got Agrippa or Ptolemy.’
Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone (English Edition) (pp. 108-109). (Function). Kindle Edition.
☝️このシーンはハリーにロンが蛙チョコのカードについて説明しているところです。
「500枚持ってるけど、AgrippaとPtolemyを手に入れていない😔」と話しています。
実は、原作で名前が挙げられている人物(Agrippaや Ptolemyなど)には「実在の」魔法使いや魔女の名前も含まれています!

著者J. K. Rowlingの遊び心だね😊
今回は「賢者の石」で名前が挙げられた、蛙チョコのカードになっている魔法使い&魔女について紹介していきます🧙
物語には直接的には関係して来ませんが、魔法界の慣用句になっている人物がいたりして、ちょっと意外な発見があるかもしません😊

さっそく見ていきましょう!
蛙チョコカードで登場する魔法使いの紹介
Agrippa(アグリッパ)
ロンがまだ手に入れていないと話していた Agrippa(アグリッパ)です。
フルネーム:
Heinrich Cornelius Agrippa(ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ)
【1486年〜1535年】
出身・時代:
ドイツのケルン出身で、ルネサンス期(15世紀〜16世紀)に医者、占星術師、法律家、軍人、魔術師として活躍しました。
概要:
魔女として告発された農家の主婦を弁護して助けたり、「オカルト哲学(De Occulta Philosophia Libri Tres)」という本を出版したりしています。その本では「神を知る最良の方法は魔術を通してである」と主張しています😮
最終的には異端の罪で捕らえられ、獄中死してしまったそうです☠️
Ptolemy(プトレマイオス)
ロンがまだ手に入れていないと話していたもう一人の人物 。Ptolemy は Ptolemaeus(プトレマイオス)の英語での呼称です。

プトレマイオスだと聞いたことあるね
フルネーム:
Claudius Ptolemaeus(クラウディオス・プトレマイオス)
【83年〜168年ごろ】
出身・時代:
2世紀初頭のエジプトのアレクサンドリアで活躍した人物です。
概要:
哲学者・数学者・天文学者・地理学者として活躍し、「アルマゲスト」という数学や哲学の知識を体系化してまとめた本を残しています。現在では「アルマゲスト」で書かれている内容の多くが誤りであることがわかっていますが、千年以上にわたり学者たちに影響を与えていました📚️

アルマゲストには天動説に基づく天体運動の理論が載っているよ💫

あんまり魔法使い🧙♂️って感じじゃないね

プトレマイオスは占星術🌌についても本を残してるから、魔法使い扱いになったのかも?
Nicolas Flamel(ニコラス・フラメル)
ダンブルドアのカードにちらっと登場する人物です。

「賢者の石」のキーパーソンだね💎
フルネーム:
Nicolas Flamel(ニコラス・フラメル)
【1330〜1418年?】
※錬金術師としてはニコラ・フラメルと表記されるのが一般的
出身・時代:
フランスのパリ出身で、14世紀〜15世紀に錬金術の研究を行っていました。
概要:
ニコラス・フラメルはもともと詩人・画家・役所の書記として働いていたようです。夢のお告げでヘブライ語の本に出会い、占星術師・錬金術師として『賢者の石』の探求を始めたと言われています。
フラメルは1383年1月17日に水銀を純銀と純金に変えることに成功したと言われています。信者には妻のPerenelleとともに、不老不死の霊薬を使って今も生きていると信じられています。

Morgana(モルガナ)
フルネーム:
Morgan le Fay(モーガン・ル・フェイ)
出身・時代:
イギリス、アーサー王伝説の時代(5世紀〜6世紀)
概要:
Morgana は病気を治す強い魔女🧙としてイギリスの民話に現れます。
また、アーサー王伝説に登場する魔女モーガン・ル・フェイ(Morgan le Fay)の古い呼び方でもあります。Morgan le Fayは、強力な魔法使いで、異父兄弟であるアーサーと敵対し、アーサーを殺そうと企てたりします☠️
Hengist of Woodcroft(ヘンジスト・オブ・ウッドクロフト)
この人物はハリー・ポッターシリーズのオリジナルキャラクターのようです🧙♂️
概要:
ホグズミード村(Hogsmeade)の創設者として知られる魔法使い。最初期のホグワーツに通っており、ハッフルパフ出身です。マグルからの迫害を逃れ、魔法使いが安全に暮らせる場所としてホグズミードを作ったとされています。

3巻から登場する「3本の箒」は彼の家だったと言われているよ🧹
Alberic Grunnion(アルベリック・グラニオン)
この人物も、ハリー・ポッターシリーズのオリジナルキャラクターのようです🧙♂️
概要:
魔法界の歴史に登場する魔法使いだが、詳細な情報は少ない。「糞爆弾」を発明した発明家とのこと。
ちなみに、ドイツの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」には Alberich(アルベリヒ) という魔法使いが登場するようで、その名前を借用しているのかもしれません……。
Circe(キルケ)
ギリシャ神話に登場する魔女の名前です。キルケーという呼び方が一般的です。
出身・時代:
古代ギリシャ神話(紀元前)
概要:
ホメーロスの叙事詩「オデュッセイア」に登場します。ギリシャ神話に登場する魔女で、オデュッセウスの部下たちに毒を盛り、魔法の杖で豚に変えたことが特に有名です。変身術(Transfiguration)を使って人を動物に変え、従わせていたといわれています🧙🐖🐖🐖

Paracelsus(パラケルスス)
フルネーム:
Philippus Aureolus Paracelsus(フィリップス・アウレオールス・パラケルスス)
【1493年〜1541年】
出身・時代:
スイス、16世紀
概要:
実在したスイスの錬金術師・医師・魔術師です。近代科学・近代医学の祖とされています🏥
医者や科学者として大きな成果を残しましたが、独自の治療方法などを実践していたため、sorcerer(魔法使い)と呼ばれ、医学界から追放されたと言われています。
Merlin(マーリン)
イギリスではみんな知っている偉大で有名な魔法使いです。
出身・時代:
アーサー王伝説の時代(5世紀〜6世紀)
概要:
最も有名な魔法使いのひとりで、アーサー王に仕えた賢者です。マーリンは幼いアーサー王を敵の目から隠したと信じられていますが、ダンブルドアとハリーの関係はそこから着想を得ていたのかもしれません……。
ハリー・ポッターの魔法界では、マーリン勲章(Order of Merlin)で名前が残っています。

ハリー・ポッターの登場人物は時々
「Merlin’s beard!(マーリンズ・ビアード)」という言葉を発します。
直訳すると「マーリンのヒゲ」ですが、マーリンについて特別な意味はなく、驚いたときに思わずでる言葉のようです。「Oh my god!」や「jesus christ!」に近い魔法界の言い回しですね😊
ホラス・スラグホーンやコーネリアス・ファッジなどやや年配の魔法使いが使っています🧙♂️
Druidess Cliodna(ドルイド女司祭クリオドナ)
出身・時代:
古代ケルト時代
概要:
アイルランドの神話に登場するドルイド(祭司階級)の女性です。美の女神、海の女神、そして死後の世界の支配者として登場します。病人を治す力があったと言われています。
まとめ
今回は原作の蛙チョコレート🍫で名前が登場した人物について紹介・解説しました🧙🧙♂️
想像以上にいろいろなところから名前が引用されていて、著者J. K. Rowlingのこだわりを感じられたのではないでしょうか。この記事では簡単な紹介しかできなかったので、興味のある方は詳しく調べてみると面白いかもしれません😊

それではまた次の記事で!
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