このブログでは Harry Potter を英語で読んでみたいという方々へ向け、様々なアドバイスや読み進める際のポイントを解説しています。
今回は、ハリーポッターの第1巻 “Harry Potter and the Philosopher’s Stone” の第2章 The Vanishing Glass から、注目すべき文章をいくつかピックアップし、解説します。
このページを見れば、2章冒頭の文章を読み取ることができ、2章全体を読み進めやすくなるはずです!
第2章はまだまだ序盤のパートです。
ここで躓いてしまわないようにしっかり読み進めていきましょう!
2章の文章ピックアップ
2章からいくつか注目したい文をピックアップして解説します。
冒頭文 その1
Nearly ten years had passed since the Dursleys had woken up to find their nephew on the front step, but Privet Drive had hardly changed at all.
Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone (English Edition) (p.19). Pottermore Publishing. Kindle 版.
まずは第2章(Chapter Two)の冒頭の文章を確認してみましょう。
こちらの文章は3つのブロックに分けて考えることができます。
それぞれのブロックについて解説していきます。
Nearly ten years had passed
- 意味: 「ほぼ10年が過ぎた」
- 構造:
- Nearly: 「ほぼ」「ほとんど」という副詞。
- ten years: 「10年」という名詞句。
- had passed: 過去完了形。「(この時点から見て)すでに過ぎた」という意味。
- ポイント: この文の主語は “ten years” です。過去のある時点(この場合、ダーズリー一家がハリーを玄関で見つけた時)から現在の話の時間が経過したことを強調しています。
- Harry Potter はすべて過去形で書かれているので、1章のラストから2章の開始時点までの時間経過を過去完了形で表現されています。
- 構造:
since the Dursleys had woken up to find their nephew on the front step
- 意味: 「ダーズリー家が目を覚まして、甥を玄関先で見つけてから」
- 構造:
- since: 「~以来」という接続詞。過去のある出来事を起点に現在までの時間を示します。
- the Dursleys had woken up: 「ダーズリー家の人々が目を覚ました」という過去完了形の文。
- had woken up: 過去完了形で、「目を覚ます(wake up)」が完了していることを示す。
- to find their nephew on the front step:
- to find: 「~を見つけるために」という不定詞。ここでは「目を覚ました結果、甥がいたことを発見した」という結果のニュアンス。
- their nephew: 「彼らの甥」。ハリー・ポッターを指しています。
- on the front step: 「玄関先に」という場所を表す前置詞句。
- ポイント: この部分は、「何が10年前に起きたのか」を具体的に説明しています。
- 第1章のラストではハリーがダーズリー家の玄関に置かれた状態で終わりました。その翌朝に何が起こったかを過去完了形で表現しています。
- 構造:
but Privet Drive had hardly changed at all
- 意味: 「しかし、プリベット通りはほとんど変わっていなかった」
- 構造:
- but: 「しかし」という接続詞。
- Privet Drive: 「プリベット通り」。ダーズリー一家が住んでいる通りの名前。
- had hardly changed: 過去完了形。「ほとんど変化していなかった」という否定的な意味を持ちます。
- hardly: 「ほとんど~ない」という副詞で否定を強調。
- changed: 「変わる」の過去分詞形。
- at all: 「全く」「少しも」という否定を強調する表現で、hardlyと組み合わせて使われる。
- ポイント: “hardly ~ at all” で「全く~していない」という否定の文章になっています。
時の経過にもかかわらず、物語の舞台であるプリベット通りが変わっていないことを強調しています。
- 構造:
全文のまとめ
この文章は、物語の時間的な進行と場面設定を描写しています。過去完了形を使用して、1章では語られなかったダーズリー一家がハリーを見つけた瞬間を回想的に示し、現在に戻ってからプリベット通りの変わらなさを対比的に述べています。
“hardly ~ at all” で「全く~していない」はこれからも頻繁に出てくる表現だよ
冒頭文 その2
続く文も長く、比喩的な表現をされているのでここで解説します。
The sun rose on the same tidy front gardens and lit up the brass number four on the Dursleys’ front door; it crept into their living-room, which was almost exactly the same as it had been on the night when Mr Dursley had seen that fateful news report about the owls.
Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone (English Edition) (p.19). Pottermore Publishing. Kindle 版.
セミコロン(;)でつながっていてかなり長い1文になっています。
ダーズリー家の様子を太陽の光を通して描写しています。
文中でハイライトした
・and
・;
・which
・when
これらの単語で文章を分けることができます。
長い文章を読むときは、こういった接続詞や関係代名詞で分けて意味を理解してみましょう。
文の前から順番に読み取っていこう!
The sun rose on the same tidy front gardens
- 意味: 「太陽がいつものきれいに手入れされた前庭を照らしながら昇った」
- 構造:
- The sun rose: 「太陽が昇った」
- The sun: 「太陽」
- rose: 動詞「rise(昇る)」の過去形。
- on the same tidy front gardens:
- on: 「~の上に」を表す前置詞。ここでは「庭を照らすように」という意味合い。
- the same tidy front gardens: 「同じくきれいに手入れされた前庭」
- the same: 「同じ」
- tidy: 「きれいに手入れされた」
- front gardens: 「前庭」
- The sun rose: 「太陽が昇った」
- 構造:
太陽はいつでも “the sun” なんだよね
and lit up the brass number four on the Dursleys’ front door
- 意味: 「そして、ダーズリー家の玄関ドアにある真鍮製の数字の4を照らした」
- 構造:
- and: 「そして」を表す接続詞。
- lit up: 動詞「light up(照らす)」の過去形。
- the brass number four: 「真鍮製の数字4」
- brass: 「真鍮(しんちゅう)製の」
- number four: 「数字の4」
- on the Dursleys’ front door:
- on: 「~の上に」を表す前置詞。ここでは「玄関ドアにある」という意味。
- the Dursleys’ front door: 「ダーズリー家の玄関ドア」
- the Dursleys’: 「ダーズリー家の」所有格。
- 構造:
it crept into their living-room
- 意味: 「それ(太陽の光)が彼らのリビングルームに忍び込んだ」
- 構造:
- it: 主語。「太陽の光」を指す。
- crept: 動詞「creep(忍び込む)」の過去形。
- into their living-room:
- into: 「~の中へ」という前置詞。
- their living-room: 「彼らのリビングルーム」
- 構造:
which was almost exactly the same as it had been
- 意味: 「それはほとんど正確に以前と同じだった」
- 構造:
- which: 関係代名詞。「リビングルーム」を指している。
- was almost exactly the same:
- was: 「~だった」という動詞。
- almost: 「ほとんど」
- exactly the same: 「正確に同じ」
- as it had been:
- as: 「~と同じ」という接続詞。
- it had been: 「それがかつてそうであったように」という過去完了形。
- 構造:
on the night when Mr Dursley had seen that fateful news report about the owls
- 意味: 「ダーズリー氏があの運命的なフクロウに関するニュース報道を見た夜のことだった」
- 構造:
- on the night: 「その夜に」
- when Mr Dursley had seen:
- when: 関係副詞で、「そのとき」という意味。「on the night」を修飾。
- Mr Dursley had seen: 「ダーズリー氏が見た」という過去完了形。
- that fateful news report: 「あの運命的なニュース報道」
- fateful: 「運命的な」
- news report: 「ニュース報道」
- about the owls:
- about: 「~について」
- the owls: 「フクロウ」
- 構造:
全文のまとめ
太陽の光を通して、10年前からダーズリー家がほぼ変わっていない様子を描写しています。きれいな文章でダーズリー家の雰囲気を伝えています。
③1万人がハイライトした文
AmazonのKindleには、気になる文章に印をつける(ハイライトする)機能があります。
多くの人がハイライトした文章には「○○人がハイライトしました」というマークが付きます。
2章では次の文章が1万人にハイライトされています。
みんなが気になった文章を見てみよう!
Harry was used to spiders, because the cupboard under the stairs was full of them, and that was where he slept.
Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone (English Edition) (p.20). Pottermore Publishing. Kindle 版.
ちょっとした文章ですが、ダーズリー家でハリーが異常な扱いを受けていることを示す文章です😅
Harry was used to spiders
- 意味: 「ハリーはクモに慣れていた」
- 構造:
- Harry: この文章の主語。
- was used to spiders:
- was used to: 「~に慣れている」という表現。
- 動詞「be」と「used to(~に慣れている)」を組み合わせた形。
- spiders: 「クモたち」という複数形の名詞。
- was used to: 「~に慣れている」という表現。
- ポイント: 「be used to + 名詞/動名詞」で「~に慣れている」という状態を表します。
- 構造:
「used to + 動詞原形」だと「以前は~していた」という意味になるよ
because the cupboard under the stairs was full of them
- 意味: 「なぜなら、階段下の物置がクモでいっぱいだったからだ」
- 構造:
- because: 接続詞「なぜなら~だから」。
- the cupboard under the stairs:
- the cupboard: 「物置」
- under the stairs: 「階段の下にある」という場所を修飾する前置詞句。
- was full of them:
- was: 動詞「~である」の過去形。
- full of them: 「それ(クモ)でいっぱいだった」
- full of: 「~でいっぱいの」
- them: 「それら(クモ)」を指す代名詞。
- ポイント: 「because」でハリーがクモに慣れている理由を説明しています。
- 構造:
クモまみれの物置で過ごしていたハリー・・・
and that was where he slept
- 意味: 「そして、そこが彼の寝る場所だった」
- 構造:
- and: 接続詞「そして」。
- that was: 「そこは~だった」
- that: 「その場所」を指す代名詞。文脈上、「階段下の物置」を指す。
- was: 動詞「~である」の過去形。
- where he slept:
- where: 関係副詞「~する場所」。
- he slept: 「彼が寝ていた」という過去形の文。
- ポイント: ハリーの居場所(階段下の物置)を強調し、その場所が彼の日常生活の一部であることを示しています。
- 構造:
全文のまとめ
ハリーが物置に住んでいること、クモに慣れてしまった状況を説明し、ダーズリー家での過酷な生活環境を暗示しています。
ハリーはクモに慣れてるけど、ロンはクモが苦手だよね
ロンとの対比でこの文をハイライトした人が多いのかも…?🤔
まとめ
今回はハリポタ1巻2章の文章をピックアップして解説しました!
長い文もありましたが、接続詞で短く分けて考えると意味が分かりやすかったのではないでしょうか。
他の文章を読むときも、細かくブロックに分けて理解する癖をつけると読み進めるのも早くなると思います。
それではまた次回の記事で!
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