🧪 はじめに
皆さんは「ハリー・ポッターと賢者の石」に登場した「スネイプ先生の魔法薬パズル」を覚えているでしょうか?
スネイプ先生が賢者の石を守るために作った毒薬と魔法薬を使ったパズルです。
- 「そんなのあったっけ?」🤔
- 「全然覚えてない……」😔
- 「映画を見たけどパズルなんて無かった気がする」🤨
今回の記事はそんな「スネイプ先生のパズルなんてあったっけ?」という方へ向け、次の内容を解説します!
- 原作小説と映画版の違い
- スネイプ先生のパズル紹介
- スネイプ先生のパズル解説

さっそく見ていこう!


📕 原作小説と映画版の違い 🎥
このページを見ている方は、「ハリー・ポッターシリーズが好き!」とう人がほとんどだと思いますが、

実は映画しか知らないんだよね…
という方もいるのではないでしょうか?
映画版と原作小説ではいろいろな違いがありますが、一番大きな違いは
「映画版では原作小説のシーンが一部カットされている」ということです ✂️
具体的な例であげると……
- 回想シーン
➢ スネイプ先生やトム・リドルの過去がかなり簡略化 ✂️ - ダーズリー家関係シーン
➢ カットされがちなダーズリー家。
「死の秘宝」でダドリーとの別れも簡素なものに……😢 - クィディッチの試合シーン
➢ 1作目以外、クィディッチのシーンはほぼカット。
物語の本筋とはかかわらないけどちょっとさみしい🧹✨️ - 登場人物の削除
➢ ポルターガイストのピーブス、魔法史のビンズ先生(ゴーストの先生)、屋敷しもべ妖精のウィンキーなど、映画版では削除されてしまったキャラクターがいます。
ウィンキーがいなくなったことで映画版「炎のゴブレット」のストーリーはかなりシンプルになっています🤔
映画版では2時間程度の尺にまとめる必要があり、色々なシーンが短く編集されています。映像でハリポタの世界を楽しめるものの、より深くキャラクターや世界観を楽しみたい方には、小説版も読んでみることをおすすめします。
「賢者の石」でカットされたシーン
今回紹介する「スネイプ先生のパズル」も、映画版「賢者の石」でカットされたシーンの一つです。
賢者の石の後半、ハリー達は賢者の石を守るために仕掛けられた魔法の罠を突破していきます。この魔法の罠にどんなものがあったか覚えているでしょうか?

おっきいチェスをしていたような……

チェス以外にも色々あったよ
原作小説では、ホグワーツの先生がそれぞれ魔法を仕掛けたという設定になっており、1巻で登場した人物の数だけ魔法の守りが仕掛けられています。
※ゴーストの先生 = 魔法史のビンズ先生は参加してないけど……。
【原作小説で登場した魔法の仕掛け】
- 三頭犬のフラッフィー 🐕️
➢ ハグリッド - 「悪魔の罠」と呼ばれる魔法植物 🌱
➢ 薬草学のスプラウト先生 - 羽がついた鍵 🗝️🪶
➢ 呪文学のフリットウィック先生 - 魔法使いのチェス ♟️
➢ 変身術のマクゴナガル先生 - でっかいトロール 🧌
➢ 闇の魔術に対する防衛術のクィレル先生 - 魔法薬のパズル 🧪
➢ 魔法薬学のスネイプ先生 - 「みぞの鏡」🪞
➢ ダンブルドア校長
☝️ クィレル先生が仕掛けたでっかいトロール、スネイプ先生が仕掛けた魔法薬のパズルは映画版ではカットされていました。映画であったかどうか、記憶が曖昧になっている方も多いみたいです。
※クィレル先生がトロールに関して特別な才能があるという設定もありますが、映画版ではカットされています🤭
このスネイプ先生の魔法薬パズルが面白いので、以下原作を引用しながら解説します😊
スネイプ先生の魔法薬パズルとは 🧪
【「ハリー・ポッターの賢者の石」の終盤】
賢者の石に向かって進むハリー達は、倒れたトロールを越えて次の部屋に進みます。ハリー達が部屋に入ると前後の扉が炎に包まれ閉じ込められてしまいます。
その部屋には7つの小瓶が置かれており、次のような文章が書かれた紙が置かれていました。
スネイプ先生のパズル全文(英語版)
Danger lies before you, while safety lies behind,
Two of us will help you, whichever you would find,
One among us seven will let you move ahead,
Another will transport the drinker back instead,
Two among our number hold only nettle wine,
Three of us are killers, waiting hidden in line.
Choose, unless you wish to stay here for evermore,
To help you in your choice, we give you these clues four:
First, however slyly the poison tries to hide
You will always find some on nettle wine’s left side;
Second, different are those who stand at either end,
But if you would move onwards, neither is your friend;
Third, as you see clearly, all are different size,
Neither dwarf nor giant holds death in their insides;
Fourth, the second left and the second on the right
Are twins once you taste them, though different at first sight.Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone (English Edition) (p. 306). (Function). Kindle Edition.
7つの瓶を使った論理パズルになっています🍾

スネイプ先生も意外とパズルとかが好きなのかも……?
皆さんは、この英文から正しい瓶を選べるでしょうか?
「そもそも英語がわからない!」という方に向け、登場した表現について以下解説します😊
難しい表現の解説 ✍️
- “Danger lies before you, while safety lies behind”
- lie = 「横たわる」ですが、ここでは「存在する」の意味。
- 「危険が前にあり、安全が後ろにある」
- “whichever you would find”
- whichever = 「どちらを選んでも」。
- 「安全か危険か、どちらを望むにせよ」
- “transport the drinker back”
- transport = 「運ぶ」「送り返す」。
- 「飲んだ者を後ろに戻す」
= 後ろの部屋に戻れる薬
- “nettle wine”
- イラクサ(刺毛のある植物)で作ったワイン。
- 魔法界ならではの飲み物。
特別な意味はなく「ただの酒」
- “waiting hidden in line”
- in line = 「並びの中に」。
- 「列に隠れて待ち構えている」
- “unless you wish to stay here for evermore”
- unless = 「~でない限り」。
- 「永遠にここにとどまりたいのでなければ」
- “however slyly the poison tries to hide”
- however slyly = 「どんなにずる賢く…しても」
- 「毒がどんなに巧妙に隠れても」。
- “Neither dwarf nor giant holds death in their insides”
- dwarf = 小人(小さい瓶の比喩)
- giant = 巨人(大きな瓶の比喩)
- 「一番小さい瓶にも、一番大きい瓶にも毒はない」
パズルの日本語訳例
【翻訳例】
危険はお前の前に、そして安全はお前の後ろにある。
我らのうち二つは、お前が望む方へと導こう。
七つの中の一つは、お前を前へと進ませ、
もう一つは飲む者を後ろへと送り返す。
二つはただのイラクサ酒を含み、
三つは死をもたらす毒が隠れている。選べ、ここに永遠に留まりたくなければ。
選びを助けるために、我らは四つの手がかりを与えよう。第一に──いかに狡猾に隠れようとも、
必ずイラクサ酒の左隣には毒が潜んでいる。第二に──両端に立つものは違っている。
だが前へ進みたいなら、そのどちらも友ではない。第三に──見れば明らかなように、大きさは皆異なる。
だが小人でも巨人でも、中に死は潜んでいない。第四に──左から二番目と右から二番目は、
見た目は違えど、口にすれば同じものだ。
スネイプ先生のパズル解説 🧩
では、実際にスネイプ先生のパズルを解いてみましょう。
※自分だけだと不安なのでChatGPTに協力してもらってます💻
パズルの内容チェック ✅️
まず前提(詩の与件)を整理します。瓶は7本で中身は
- 前へ進める薬 1本(前:Forward)
- 後ろへ戻す薬 1本(後:Back)
- イラクサ酒 2本(酒:Nettle Wine)
- 毒 3本(毒:Poison)
手がかり(要点だけ抜粋)
- イラクサ酒の左隣は必ず毒がある。
- 両端の2本は中身が異なり、しかも前へ進む薬ではない。
- 最小(dwarf)と最大(giant)の瓶には毒は入っていない。
- 左から2本目と右から2本目は「味わえば同じ双子」(=同じ中身)だが、見た目の大きさは違う。
論理展開 🧐
ではここからパズルを解いてみましょう🪄
瓶は左から順に数字を付けて解説します。
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦
選択肢:毒、毒、毒、酒、酒、前、後
A) 「両端から2本目(2番と6番)は同じ中身の双子(twins)」
- これが同じ中身で、しかも全体に1本ずつしかない「前」「後」ではあり得ません。
- また、twins(双子)と書かれているので、
3本ある「毒」ではなく、2本だけの「酒」だと考えられます。 - したがって 2番と6番は「酒」
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦
? 酒 ? ? ? 酒 ?
残り:毒、毒、毒、前、後
B) イラクサ酒の位置
- 手がかり1)より、イラクサ酒の 直左は必ず毒。
- いま 2番と6番が酒なので、その左隣(1番と5番)は「毒」で確定。
- これは手がかり2) とも合致します。
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦
毒 酒 ? ? 毒 酒 ?
残り:毒、前、後
C) 端の条件
- ①が「毒」で確定したので、⑦は「毒」ではない。
- 手がかり2) から⑦は「前」ではないので「後」で確定。
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦
毒 酒 ? ? 毒 酒 後
残り:毒、前
D) 最後の条件
- 残りの未確定は 3番・4番 に 「前」と「毒」 を割り当てること。
- 手がかり3)「最小(dwarf)と最大(giant)の瓶には毒は入っていない」をまだ使っていないので、ここでこの条件が効いてくると考えられます。
- しかし、瓶の大きさについては小説内で明記されていないので、読者には③、④のどちらが前に進む薬なのかはわかりません🧐
- 本編ではハリーが一番小さい瓶の薬を飲んで前へ進み、ハーマイオニーが一番右の丸い瓶を飲んで後ろに戻ります。
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦
毒 酒 ? ? 毒 酒 後
☝️ ③、④の中に「一番大きい瓶」か「一番小さい瓶」があれば、それが「前に進む薬」
最後に余ったのが「毒」
結論
小説の描写から次のような並び方であることがわかります。
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦
毒 酒 前 毒 毒 酒 後
または
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦
毒 酒 毒 前 毒 酒 後
※瓶の大きさでどちらのパターンか決まる

読者にはわからない情報もあって難しいね😓
まとめ
今回は「賢者の石」の原作小説にだけ登場した、「スネイプ先生の魔法薬パズル」について紹介しました。映画しか見たことがなかった方も、原作小説(さらには英語の原書)を読んでみてもらえると嬉しいです。
↓Amazon Kindle版だと知らない単語をすぐ調べられておすすめです😊↓ Harry Potter and the Philosopher’s Stone (English Edition)また、現在制作が進んでいる、HBOによる『ハリー・ポッター』ドラマシリーズでは、「原作に忠実な映像化」を目指していると言われています。ひょっとしたら、このスネイプ先生のパズルのシーンが登場するかもしれません。
そのときにまたこのページを見に来てもらえると嬉しいです😊

それではまた次の記事で!
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