このブログでは Harry Potter を英語で読んでみたいという方々へ向け、様々なアドバイスや読み進める際のポイントを解説しています。
「ハリポタで学ぶ英文法」の基本の文法 / 受け身の単元です(シリーズの目次)。今回は受け身(be + 過去分詞)を扱います。
「受け身=『〜される』と訳す」とだけ覚えていると、be動詞を落としたり、過去分詞のところに過去形を置いたりしてしまいます。形が崩れると、読むときも書くときも止まります。
そこで今回は、「なぜ受け身にするのか」から入ります。目的が分かると、作り方のほうは自然に頭に残ります。

受け身は「される側」を主語に引き上げる形です。主役の入れ替えだと思ってください🪄
「される側」を主語にする形
ふつうの文と受け身を並べてみます。
- Our team checks the machines every morning.
(うちのチームが毎朝、機械を点検する) - The machines are checked every morning.
(機械は毎朝、点検される)
下の文では、点検される側の The machines が主語に上がりました。動詞は be + 過去分詞。作り方はこれだけです。
「過去分詞」は動詞の3つめの形
過去分詞は、write – wrote – written と並べたときの3つめにあたる形です。「〜された」の意味を持つ形、と考えておけば十分。check – checked – checked のように、過去形と同じ形になる動詞もたくさんあります。
ハリポタの一文で見てみる
1巻6章、ホグワーツ特急が終点に着く前に流れる車内アナウンスです。
【原書使用例🧙】
Please leave your luggage on the train, it will be taken to the school separately.’
Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone (English Edition) (p. 118). (Function). Kindle Edition.
訳:「お荷物は列車に置いたままにしてください。学校へは別に運ばれます」
誰が運ぶのかは、書かれていない
- be + taken(take の過去分詞)… 受け身の形
- will … これから起きること
注目してほしいのは、「誰が運ぶのか」がどこにも書かれていないことです。アナウンスを聞く人にとって、運ぶのが誰かは重要ではありません。大事なのは「荷物が運ばれる」という事実だけ。受け身が選ばれるのは、まさにこういう場面です。
will のうしろが be(原形)になっているのは、助動詞のうしろが必ず原形だからです(三人称単数の s の回のルール②)。
押さえておきたい3つのこと
ルール① 時制は be動詞が引き受ける
過去分詞のほうは形が変わりません。いつの話か、主語が何かは、すべて be動詞が受け持ちます。
- The office is cleaned every evening.(現在)
- The office was cleaned yesterday.(過去)
- The offices are cleaned every evening.(主語が複数)
ルール② 過去形ではなく過去分詞
いちばん多い間違いがここです。
- ◯ The report was written by our team.
- ✕ The report was
wroteby our team.
wrote は2つめ(過去形)、written が3つめ(過去分詞)。受け身の be動詞のうしろに入るのは、いつでも3つめの形です。
ルール③ by 〜 は必要なときだけ
「誰が」を示す by 〜 は、付けても付けなくてもかまいません。引用文のように、書かないほうが自然な場面もたくさんあります。
- The report was written by our team.(誰が書いたかを伝えたいとき)
- The report was written in three days.(誰が書いたかは問題でないとき)
例文でもう2つ確認
例文① 受け身にすると、主役が変わる
- Your order was shipped this morning.
(ご注文の品は、今朝発送されました)
店の側を主語にして We shipped your order this morning. と言うこともできます。ただ、お客さんが知りたいのは「自分の注文がどうなったか」です。注文を主語に置いた受け身のほうが、知りたいことから始まります。
案内文やお知らせに受け身が多いのは、このためです。受け身は「主役をどれにするか」を選ぶ道具でもあります。
例文② be + 過去分詞でも受け身とは限らない
- I am interested in the new project.
(その新しい企画に興味があります)
形は be + 過去分詞ですが、「興味を持たされる」と訳すと不自然です。ここはいまの状態を表しています。be + 過去分詞なら必ず受け身、とは言い切れません。
be surprised at(驚いている)、be married to(結婚している)なども同じ仲間です。「誰かが〜した」と言い換えられるなら受け身、言い換えにくいものは状態を表す言い方としてそのまま覚えるのが早道です。
TOEIC形式で確認してみる
Part 5と同じ4択です。主語が「する側」か「される側」かを先に決めてください。
- The annual report _______ by the finance team every March.
(A) prepares (B) is prepared (C) preparing (D) has prepared - Your parcel will _______ to your office tomorrow morning.
(A) deliver (B) delivered (C) be delivered (D) be delivering - The safety manual was _______ by an outside consultant.
(A) wrote (B) write (C) writing (D) written
解答と解説
1. 正解 (B) is prepared
主語 The annual report は「作られる側」。うしろの by the finance team(作る側)が決め手です。(A) や (D) では、報告書が自分で準備することになってしまいます。
2. 正解 (C) be delivered
will のうしろは原形なので be、そこに過去分詞 delivered が続きます。引用文の will be taken とまったく同じ形です。
3. 正解 (D) written
be動詞のうしろは過去分詞。(A) wrote は過去形なので入りません。ルール②そのままです。

まず主語が「する側」か「される側」か。ここを決めるだけで、選択肢がぐっと絞れます👍️
もっと問題を解きたい人へ
受け身は形がはっきりしているぶん、解いた数がそのまま速さになります。過去分詞を覚え直すきっかけにもなります。
[音声DL] TOEIC L&Rテスト 文法問題 はじめの400問(TEX加藤)↓この記事で引用した原書はこちら↓
Harry Potter and the Philosopher’s Stone (English Edition)まとめ
この記事の要点
- 受け身は「される側」を主語に引き上げる形
- 作り方は be + 過去分詞。時制と主語は be動詞が引き受ける
- be動詞のうしろは過去形ではなく過去分詞(was wrote ではなく was written)
- by 〜 は必要なときだけ。「誰が」を言わずにすませられるのが受け身の強み
- be + 過去分詞でも、状態を表すことがある(be interested in など)
受け身が読めるようになると、説明文やお知らせがすっと入ってきます。原書でも、魔法界の決まりごとを説明する場面でよく出てくる形です📚️



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