このブログでは Harry Potter を英語で読んでみたいという方々へ向け、様々なアドバイスや読み進める際のポイントを解説しています。
「ハリポタで学ぶ英文法」の基本の文法 / 現在完了の単元です(シリーズの目次)。今回は現在完了と過去形の違いを扱います。
つまずく理由ははっきりしています。日本語にすると、どちらも「〜した」になってしまうからです。日本語に訳して考えているかぎり、永遠に区別がつきません。
そこで今回は、両方が1つの台詞に入っている原書の一文から入ります。並べて見ると、何が違うのかが一目で分かります。

訳で覚えず、「いまと関係があるか」で考えるのがコツです🎄
日本語にすると同じになってしまう
次の2文は、日本語ではどちらも「なくした」です。
- I lost my key.(過去形)… なくした。いま見つかっているかは不明
- I have lost my key.(現在完了)… なくした。そしていま手元にない
違いは「いまどうなっているか」です。過去形は過去の話で完結し、現在完了は現在につながっています。
名前のとおりで、現在完了は「現在」の話なのです。過去の出来事を、いまの状況を説明するために持ち出している形だと考えてください。
ハリポタの一文で見てみる
1巻12章、クリスマスにダンブルドアが靴下について語る場面です。
【原書使用例🧙】
‘One can never have enough socks,’ said Dumbledore. ‘Another Christmas has come and gone and I didn’t get a single pair. People will insist on giving me books.’
Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone (English Edition) (p. 230). (Function). Kindle Edition.
訳:「靴下は何足あっても足りんものじゃ」とダンブルドアは言った。「今年もまたクリスマスが過ぎてしまったが、わしは1足ももらえなんだ。みんなどうしても本を贈りたがるのでな」
同じ台詞に両方が入っている
- has come and gone(現在完了)… クリスマスが来て、去った。=いまはもう終わっている
- didn’t get(過去形)… 1足ももらえなかった。=そのクリスマスの出来事
前半は「いまの状況」を述べています。クリスマスはもう終わってしまった、という現在の状態が言いたいことです。
後半はその期間に起きた出来事を報告しています。終わった話なので過去形です。
ひとつの台詞の中で、「いまどうなっているか」は現在完了、「そのとき何があったか」は過去形と、きれいに書き分けられています。訳ではどちらも「〜した」になってしまうところです。
作り方と、3つの意味
作り方は have / has + 過去分詞
主語が三人称単数なら has、それ以外は have。三人称単数の s の回で見たルールが、ここでも効いています。
① 完了・結果「〜してしまった」
やり終えて、その結果がいまも残っている。引用文の has come and gone がこれです。
② 経験「〜したことがある」
いままでの人生に、その経験が積まれている。ever / never / before と一緒に使われます。
③ 継続「ずっと〜している」
過去に始まって、いまも続いている。since(〜から)/ for(〜の間)が目印です。
いちばん大事な見分け方
3つの意味を覚えるより、こちらのほうが実戦で効きます。
迷ったらこれだけ
- 過去の一点を指す言葉があれば、現在完了は使えない
- yesterday / last year / in 2020 / ~ ago / When ~? が出たら過去形
理由は単純で、現在完了は「いまの話」なので、過去の一点に縛りつけられないからです。
- ✕ I
have lostmy key yesterday. - ◯ I lost my key yesterday.
4択でも、選択肢ではなく問題文のほうに目印があることがよくあります。
例文でもう2つ確認
例文① 継続と過去の一点が並ぶ形
- She has worked here for five years, and she moved to our team last spring.
(彼女はここで5年間働いていて、去年の春にうちのチームへ移ってきた)
- has worked here for five years… 5年前から、いまも働き続けている=継続
- moved to our team last spring… 去年の春という終わった時点の出来事=過去形
for five years(5年間)は「いままで続いてきた期間」なので、現在完了と相性が良い表現です。逆に last spring(去年の春)は過去の一点なので、現在完了は使えず過去形になります。
例文② 受け身の現在完了
- The meeting has been canceled.
(会議は中止になりました)
has been canceled は「中止された状態になっている」。いま現在、会議はなくなっている——だから「その時間は予定を空けておかなくていい」という、いまに効く知らせになります。
過去形の The meeting was canceled. は「中止された」という出来事の報告で、焦点は過去にあります。現在完了は「いまそうなっている」ことに焦点がある。短い一文ですが、この形の性格がよく分かる例です。
TOEIC形式で確認してみる
Part 5と同じ4択です。問題文に「過去の一点」を指す言葉がないかを探してください。
- Ms. Kimura _______ for this company since she graduated.
(A) works (B) worked (C) has worked (D) is working - The shipment _______ yesterday afternoon.
(A) has arrived (B) arrived (C) has been arriving (D) arrive - We have already _______ the invoice to the client.
(A) send (B) sent (C) sending (D) sends
解答と解説
1. 正解 (C) has worked
since(〜から)があるので継続です。卒業してからいまも勤めている——「いまも続いている」が現在完了の合図です。
2. 正解 (B) arrived
yesterday afternoon という「過去の一点」があるので、現在完了は使えません。この記事でいちばん大事なルールです。
3. 正解 (B) sent
have のうしろは過去分詞。send – sent – sent なので sent です。作り方そのものを問う問題です。

2番のように、答えは問題文のほうに書いてあることが多いです👍️
もっと問題を解きたい人へ
現在完了は、過去形と並べて解くと差が分かります。1冊やり切ると「いまと関係があるか」の感覚が身につきます。
[音声DL] TOEIC L&Rテスト 文法問題 はじめの400問(TEX加藤)↓この記事で引用した原書はこちら↓
Harry Potter and the Philosopher’s Stone (English Edition)まとめ
この記事の要点
- 現在完了は「現在」の話。過去形は過去で完結している
- 作り方は have / has + 過去分詞
- 意味は完了・経験・継続の3つ
- 過去の一点を指す言葉があれば現在完了は使えない(yesterday など)
- 訳で覚えず「いまと関係があるか」で考える
現在完了の難しさは、日本語に訳すと過去形と区別がつかなくなることでした。「いまと関係があるか」で考える習慣がつけば、原書の会話文もぐっと読みやすくなります📚️



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